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 子どものころ、ミンミン蝉の声で夏休みが始まりいつしかツクツクボウシに変わり、コオロギが泣き出すと、残った宿題の山を嘆きながら追い込みに入る…といったパターンが続いていた。それが身に沁みついてしまったのか、いまでもツクツクボウシからコオロギの声に変わると、何かしら焦ってしまう。還暦を迎えた今でもその時期には焦るのだ。時間がない時間がない…片づけをしていると昔の手紙なんかが出てきて手が止まるのは常。その手紙は田舎の納戸から見つかったらしい祖父の学生時代の手紙だった。明治のころで祖父は広島の実家を次いで住職になった。大学を卒業してアメリカに留学し(当時は珍しかった)帰国してサラリーマンをしながら住職をしていた。お寺だけでは十分な収入にならなかったためサラリーマンをしていたわけだがその後社長になって、これからというとき癌でなくなったそうだ。母に監修を依頼すればきっと「ちがう!」と手直しが入るだろうけれど、ざっくり言うとこんな感じです。その祖父の手紙は草書の崩し字で解読できないくらい複雑だった。母とわかるところから読み、あとは推察しながらつなぎ合わせてみると、学資の工面依頼だった。当時の学生も今の学生と同じなんだな。今だと電話やラインで催促をするのだろうけれど祖父の時代は手紙だったのでいきなり本題に入って「お金を送って」とは言い辛かったのか、まずは元気で頑張っている。学友の誘いを断り勉学に勤しんでいる…などど綴り「送ってくれなきゃ退学するしかない」との脅しを加えながら催促状は終わっていた。もう一通の手紙には無事届いたお礼と頑張った結果トップの成績を収めた結果報告が解読不可能な草書で綴られていた。かつて宮沢賢治記念館で何度も手を加えられた原稿が展示されていた。消された前の文章はこうだったんだ。どこが気に入らなくて書き直したのかわからないが、拘って言葉を書き換えておられた。そうやってなぶり書きされた原稿から先生の鼓動が伝わってくる。確かにそこに存在しペンを持って書かれていたという証がある。こうやってPCのキーボードを叩いて言葉を選ぶ私は、祖父から見ると安っぽく見えるかな。いやいやおじいちゃんだったら「時代だね~~~~」って覗き込んだかもしれないな。

 またまた片付けが脱線して今日が終わってしまった。あ~~~~ツクツクボウシとコオロギが鳴くよ~~~。幾つになっても時間に追われて日が暮れる。





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