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 本日雨天なり

 小雨くらいなら風情があって良いかもしれないけれど、横なぶりの雨は頂けない。高齢の母がゴミ出しをしたり、買い物に出かけてこけたら一大事である。「どこも出ないでね。欲しいものがあったら買っていくから、何もしないでね」と念を押す。「あなたに迷惑かけないようにと思って…」とあれこれ動くのだけれど、母は本当に元気である。入れ歯もないし、髪の毛もフサフサで、黒い毛も生えている。歩くのにおぼつかないところがあるけれど、頭もしっかりしていて介護は不要なのだ。寝たきりや痴呆になって俳諧でもされたら放っておけないし大変だったともう。どこかに用事があるとき車で送迎をするくらいなんともない。小さい頃祖母が「お母さんは足が速かったのよ。学年トップで帰ってきたのよ。」と話してくれていた。女学校の頃は弓道部に所属し、のちに薬剤師になり白衣を着て凛と試験管を振っていたのだ。戦火の中未亡人になる人は多かった。祖父はそんな母を案じ、女が一人でも生きていけるようにと手に職を持つよう勧めたらしい。母は理系が好きだったので薬剤師なると決めたそうだ。私はというと理系は不得手。だから文系が得意と言うわけでもなく、勉強そのものが苦手。学生時代は惨憺たるものだった。高校の時も面談のたび母を悲しませていた。「このままだと進学は無理ですよ」と言われ浪人の末三流大学に進学した。その時教育実習で母校に戻り「進学は無理ですよ」と言った先生に「お前が戻って来たか…」と眉をひそめられた。確かに私はついている。免許と言えば誰でも持っている普通自動車と、取得希望すれば貰えた教員免許。全ての教科が苦手だったのに本を読むことだけが好きで、国語教師と日本語教師ができた。この二つの免許はフル稼働して離婚後も私を助けてくれた。国文法は苦手だったが日本語文法をやるうちテクニックを身に着けて国文法や古典の醍醐味も知った。

 そんなわけで理系の母に対して文系の私は小さくなるのです。理系の母は細かいことを精密に仕上げるのが得意。その為趣味が多く、木彫り、アートフラワー、パッチワーク、洋裁など時間を掛けて完璧に仕上げる。文系の私はノリだけが良く、取っ掛かりは良いけれど長続きしない。時間を掛けて仕上げる作品は途中で挫折。結果すぐできるものでなくてはいけない。パッチワークなんかとんでもない。裁縫もミシンがまっすぐ縫えないのでOUT!でもノリがいいので子どもが小学生の時、ハロウィンの仮装で魔法使いの衣装を仕上げた。ミシン目はガタガタでもアイディアは浮かぶのであれこれとつなぎ合わせてそれなりの衣装になり、ママ友から羨望の眼差しを浴びた。あ~近くでじっくり見ないでね…と言う注意書きと共に。

 まじめで精密な母はいい加減で雑だがノリの良い娘と、今日は雨の中病院に出かけるのだった。




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