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ビンテージ クラシック 骨董品…なんだかいぶし銀の様な趣のある高級品って感じがする。永い間培ってきた歴史が凝縮されてそこに鎮座している。ただ、メンテナンスが高くつく。だからあまりに価値が高いものは美術館などで丁寧に保管されるのだ。しかしずぶ垂れ品については破棄される。今は捨てるのにもお金がかかるから厄介なものにしかならない。

私は5年前に癌を患って手術した。ステージ1だったので、病名を聞くとゾッとするが盲腸より簡単に終わった。告知されたとき看護婦さんが付き添って「大丈夫ですか…」とメンタルな面を心配してくださった。「はい、大丈夫です」笑顔で返答したものだから本来なら「最近ではステージ1だと90%助かります」とか慰めのフレーズを用意していたのに、その出番もなく淡々と入院の手続きに入った。私は主人と自営業を営んでいるので10日間ゆっくり寝れる~~~~とバカンス気分。母や義母が何度か入院したので入院に必要なモノ、書いてあるけれど不要なモノ、書いていないけれど持って行った方が良いモノなど熟知していたので快適な入院生活は約束されている。そんな感じで入院し、10日間のバカンスも無事終え退院した。ただ退院してから手術痕がズキズキ疼いて何度か病院に足を運び、鎮痛剤を貰う羽目になった事は唯一の誤算だった。しかしそれ以外で面白かったのは、保険の勧誘を面白いほど撃退すること。

「すいません、ちょっと時間よろしいですか」のフレーズで電話が掛かるのは概ね保険のセールス。保険会社でなくセ●―●とかコー●とか、保険とコラボしている通販会社。

「今すごく良い保険があるんです。三大疾病に備えて…エトセトラ」

「あ~~私無理だと思うので…」

「そんなことないですよ。70からでも入れる保険で…」

「へ~~~、私癌なんですが入れるんですか???」

「…失礼しました…」

とまぁ、こんな下りになるのだ。それに私は「一度癌と宣告されると保険料要りません」ってのに入っていたから、ラッキーでした()。結構癌になって手術して元気に過ごされている方って多いみたい。だからこの保険の商品は無くなった。癌と宣告されてほぼほぼ助からない人にはまとまった保険金を出しますよってのに変わったようだ。私はこのラッキーな保険で白内障だのポリープだの何度も入院して手術した。それで冒頭の話に戻るのだが、車やジーンズは古くなればビンテージやクラシックカーと言ってもてはやされるのに人間は古くなればメンテナンス凄くかかるんだなって思った。だって保険なかったら入院費凄く要るし、その保険代も高くなる。入院しても痴呆になったらホント誤作動ロボット状態になって、お手上げ。その道を辿りつつある私はジーパン以下だ。せめて子どもたちに迷惑かけたくないなぁ。ピンコロ。最近この言葉が脳裏を横切る。私は死ぬ直前まで大笑いして、翌日布団の中でニコニコしながらあの世に行きたいなぁ…と思うようになった。





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