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 全国的に増加し続けるコロナと大雨にあっちもこっちもてんやわんやのお盆だった。私は息子の下宿へ行き、帰る日まで一切電車に乗らず、近所のスーパーに買い物に行き、息子がリモートで仕事に入ると近くの図書館にひたすら引き籠るという生活を続けた。それ以外はご飯を作ったり掃除をしたりハウスキーパに徹した。

息子は今の職場にやり甲斐を無くしていた。仕事が忙しくても成果を公平に認め、それに似合った対価があればまだしも成果を上げているにも拘らず難癖をつけ評価が得られないことに不条理さ感じていたのだ。「悩みがあるなら聞くよ。コロナが落ち着いたら一度食事に行こう」と社長に誘われていたのだ。小さな広告代理店なのでいくつかの部署の2つくらい上がすでに社長というピラミッドなのだ。社長は事あるごとに息子を引っ張り出して食べに連れて行ってくれていた。コロナになってからはそれも無くなった。人はやはり褒めてもらったり、認めてもらったりすると自信がつき、次の仕事の向上心へと繋がるのだ。逆に怒鳴り続けられると気持ちが萎えて言われた最小限のことしかしなくなる。今の私がそうだ。夫に不条理に怒鳴られ続けると、「どの道怒鳴られるのであれば手を引こう」となるのだ。元々軟弱な息子は上司と反りが合わなかったようだが、それだけでなく息子の部署は次々と退社していき10人ほどいた部署に残るは息子を含めて2人になっていた。これはもはや利己主義退社では済まない。しかし親がとやかく言う歳でもない。自分の道は己で決めよ。言わずとも息子は勝手に転活を進めていた。しかし幾つエントリーしてもことごとく落とされ面接までも辿り着けずストレスはピークだったようだ。食は極端に減り、夕飯も少ししか食べなかった。そんな日が続き、いよいよ明日帰るといった夜。息子の仕事の邪魔にならぬようお風呂に入り出てきた時、「これ見て」と突き出した携帯画面に内定の案内のメールがあった。「やったね~。おめでとう~。」そういうと涙が溢れて止まらなくなった。人には言えない苦労をしたんだな。よく頑張ったよ。そう思うと胸が締め付けられる思いになった。

そんなわけでコロナ禍の中、突然の引っ越しとなりました。今度は随分近くなったので安心。以前熱を出して苦しんでいた時、声を掛けてあげるしかできなくてもどかしかった。そんな中遠方で一人暮らしをしていた息子の具合が悪くなり救急車を呼んだのだが、ちゃんと返事もするし出動する必要がないと判断され、その後部屋で死んでしまったという事件があった。心配性の私はそれが気になって、熱を出すと大丈夫かと不安になった。娘の下宿は車で1時間ほどのところなのでご飯を作って何度か走ったが、息子のところはそうはいかない。ましてやコロナ禍の今は不安に輪をかけ、テレビ画面に映し出されるコロナ患者さんの苦しむ様子を見ると息子の顔がちらついてしまうのだ。それがこれからは安心。いつ何時でも駆けつけることができる。

息子にしたらいつ何時でも駆けつけてくる母親は…鬱陶しいかもしれない。



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